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「これは何の染めの着物ですか?」

私が鑑定士の仕事をしていて、お客様のから良く質問される項目のひとつです。着物に興味をもったお客様はやはり気になるようで良く聞かれたりするんですよね。

着物の染めに関しては数百とあり、正直、私もすべてわかる訳ではありません。ただ代表的な染めだったり、有名な染めというのはいくつかあります。

今回は着物業界で代表的な染めの種類について記事を書いていきたいと思います。以下がその種類となります。

  • 加賀友禅(かがゆうぜん)
  • 京友禅(きょうゆうぜん)
  • 東京友禅(とうきょうゆうぜん)
  • 辻が花染め(つじがはなぞめ)
  • 江戸小紋(えどこもん)
  • 琉球紅型(りゅうきゅうびんがた)
  • 草木染め(くさきぞめ)

織りの着物と染めの着物

染めの種類に入る前に基本的な知識を書いていきたいと思います。まず着物には織りの着物、染めの着物と大きく2種類あります。

織りの着物とは糸を先に染め、そこから織っていく手法。染めの着物とは先に織ってしまって、そこから色を染めていく方法です。

よく織りの着物を「先染めの着物」、染めの着物を「後染めの着物」といったりします。

紬やお召し、木綿の着物などは織りの着物、それ以外の留袖(とめそで)や訪問着、付け下げ、小紋(こもん)などは染めの着物となります。

今回は主に後染めの着物の説明になりますが、全部は説明しきれません。なぜなら先ほど説明したとおり、後染めだけでも数百と種類があり、それをすべて覚えるのは不可能だからです。

私達の業界では「着物は一生勉強」と呼ばれるくらい奥が深いのです。むずかしい世界なんですよね。

代表的な染めの種類

それでは代表的な染めの種類を見ていきましょう。今回は私が良く鑑定する、人気のある染め物を順番に見ていきたいと思います。

  • 加賀友禅(かがゆうぜん)
  • 京友禅(きょうゆうぜん)
  • 東京友禅(とうきょうゆうぜん)

友禅染め

鑑定のご依頼でもっとも多いのがこの友禅染めでしょう。友禅染めとは着物の生地に米のりなどの防染剤をつかって柄の輪郭を描き、(糸目のりという)色を染めていく方法です。

絵画のように美しく、華やかなものが多いので留袖や、訪問着、付け下げなどに多い技法です。

友禅染めには加賀友禅、京友禅、東京友禅とよばれる三大友禅があります。

それぞれの友禅には作風の違いがあり、加賀友禅にはししゅうを使わず、華やかな自然の絵を描き、京友禅には金糸などをつかったししゅう、文様的な絵を描きます。

東京友禅は藍色などの冷たい色や渋めの色合いを使った作風のものが多いですね。

友禅に関しては語ろうとすると分厚い本が一冊できてしまうくらい、奥が深いものなのですが、基本的にこの3つを覚えておけば友禅はある程度、押さえることができます。

これらの手書き友禅のものは有名な作家物も多く、手がかなり込んでいるのでお値段も相当高いです。

ちなみに私は加賀友禅作家の百貫華峰(ひゃっかんかほう)先生の作品が好きです。額に入れた絵画のような鮮やかな色彩と草花や鳥の調和が好きなんですね。

はじめて見たときの感動は今でも覚えています。

辻が花染め(つじがはなぞめ)

次は辻が花染めです。この技法が使われたお着物は非常に人気があり、よく私のところにも鑑定依頼が来たりします。

辻が花染めとは着物地を糸でくくり、柄などをしぼって花を表現する技法で、色の鮮やかさ、立体感などがあり、ひとつの芸術作品のようです。

特に有名なのが久保田一竹(くぼたいっちく)先生です。「一竹辻が花」といって、金糸を織り込んだ生地に鮮やかな辻が花を施した作品は、非常に手が込んでいます。

先生の作品を持つとわかりますが、普通のお着物にくらべて厚みと重たさがあり、気品があります。

山梨には久保田一竹美術館というのもあるので、興味のある方は一度いってみると良い経験になりますよ。

江戸小紋

次に江戸小紋(えどこもん)です。細かいドット柄に染め上げたもので遠くから見ると色無地のお着物に見えるのが特徴です。

染め方は型紙と呼ばれるものを使用し、染め上げていきます。特に有名なのが伊勢型紙と呼ばれる型紙です。

柿しぶを使い、薄い和紙を何層にも重ねて型紙をつくり、そこにお手製の道具を使い、柄を型紙に彫っていくのです。

私も生では見たことはありませんが、動画をみるととてつもなく手間ひまがかかっており、気の遠くなる作業です。

江戸小紋には有名な柄があり、鮫(さめ)、行儀(ぎょうぎ)、角通し(かくとおし)と呼ばれる江戸小紋三役と呼ばれるものがあります。

琉球紅型(りゅうきゅうびんがた)

琉球紅型とはその名のとおり、その昔、琉球王朝で使われた染めの技術です。繊細な赤色や藍色、独特の花柄などが特徴です。

簡単にいうと派手です。遠くからみると色あざやかで、発色も良く、いかにも沖縄って感じがします。特に小紋のお着物なんかに多いですね。

紅型作家の城間栄順(しろまえいじゅん)さんの帯、お着物は特に人気が高く、査定依頼が良く来たりします。

横糸によりを強くかけた、ちりめんの生地に独特の発色のある赤や藍色は着てたらつい目がいってしまいますね。

草木染め(くさきぞめ)

草木染めは植物から取り出した染料で染めた昔ながらの技法です。最近ではご自宅で自分で染めてるなんて人もいます。

昔ながらの藍染めはその代表ですね。藍染めには抗菌作用があり、虫よけにもなったりするそうで・・・昔の人はそういうことを知ってたんだなーと良く思います。

草木染めの特徴はその独特の発色ですね。化学染料にはない、きれいで鮮やかな色が出るんですよ。

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まとめ

いかがでしたか?

これ以外にも染めはさまざまなものがあり、私が思いつくだけでも十日町友禅(とおかまちゆうぜん)、更紗(さらさ)、漢方染め(かんぽうぞめ)など考えだしたらキリがありません。

  • 加賀友禅
  • 京友禅
  • 東京友禅
  • 辻が花染め
  • 江戸小紋
  • 琉球紅型
  • 草木染め

これら7種類は最近の着物業界では特に人気の高い染めの着物なので、覚えておくと購入するとき店内を回るのが楽しくなります^^

自分の着ている着物がどんなものなのか? 気になった方はぜひ、参考にしてくださいね。